姫様にkiss
…嫌なんだよ。
美咲ががっかりした顔を見るのが。
美咲はいつだって、あたしのことを気に掛けてくれて、いつも世話になりっぱなしなのに
“泳げない”
ただそれだけの理由で、美咲をがっかりさせたくなかったから。
「姫は何でそんなに美咲ちゃんと仲良いわけ?中学…違うんだろ?」
「美咲はあたしを助けようとしてくれたんだ。」
「助ける?」
そう。
あれは、中等部3年の雪の降りそうな冬のことだった。
学校から帰る途中。
変な不良に絡まれてしまったことがあった。
偶々、その時は腕をケガしていて、戦える状態じゃなかった。
ギリギリまで引き寄せて逃げるしかない…
そう思っていた時。