姫様にkiss
「…で、浮気したんだ。」
「そ。」
「馬鹿じゃないの…?!」
「自分でもそう思うよ。」
そしてあの日、彼女からふられたらしい。
顔を思いっきり叩かれて。
やっと別れられたというのに、なぜだかものすごく虚しかった。
「やっぱりな。って感じだった。…でもさ、そんな時に見ず知らずの俺に優しくしてくれた女がいたわけ。それこそ、天使みたいな奴が。」
それがあたし…か
初めて聞いた朔真の過去に、頭が上手く整理出来ずに、しばらく呆然としていた。
だってそこまでするって…
それだけ好きだったってことだから。
彼女を傷つけたくない
そういう気持ちで、朔真が悪者にまわったんだって、あたしは思うから。