姫様にkiss



「朔真っ!せっかくだし、海の近くまで行こう。」
「え?だって泳げないんじゃ…」
「ば、馬鹿…!大きな声で言うんじゃない!!」



確かに泳げないが…



波打ち際で遊ぶくらいなら…



せっかく海まで来ておいて、泳がないじゃもったいないしな。



「朔真が行かないなら、一人で行ってくる。」
「いや、行く。…姫からのせっかくのお誘い断るわけには行かないし。」



朔真は欠伸をしながら、立ち上がった。



その瞬間、程よい具合に締まっている上半身に目がいった。



男、なんだなと改めて実感する。



「姫ってもしかしてムッツリ?」
「んなわけないだろうが…っ!!!」
「えー、怪しいなぁ。」



朔真も美咲の真似をして、額を指でつつく。



どうしてこうも、あたしの周りの人間は能天気なんだ!



「来なくていい…!飲み物を買ってくるだけだ!」
「じゃあ、コーラ。」



生意気過ぎるだろ!



誰も買ってきてやるなんて言ってないぞ!!






< 142 / 266 >

この作品をシェア

pagetop