姫様にkiss
「っと、危ない危ない。君、武道やってるんだ?」
かわされた…
一人の男があたしの足、すれすれにかわした。
「俺も一応やってるから、抵抗しても無駄だよ。これでわかってくれた?」
「おとなしく着いてくりゃいいんだよ。」
「そうだよ。そうすれば、痛い思いしなくて済むんだから。」
言葉は穏やかだけど、言ってることは全然穏やかじゃない。
どうすればいい…?
ニヤニヤしながらも近づいてくる男達に、徐々に崖の方へと追いやられる。
「ほら、行こう。」
「近づくな…!!」
「てめえ…いつまでも調子のってんじゃねぇぞ!」
「あ…っ……」
視界が揺らぐ。
男達の顔がひるんだ。
次の瞬間、あたしの体は宙に浮いて、崖の上から海の中へと落ちていった。