姫様にkiss
「私、初めて見たよ。あんなに取り乱した朔真さん。女の子が海に落ちたって聞いただけなのに、いち早く飛び出して行って。姫かどうかなんて分かんないのに、“優姫…!!”って海に飛び込んだんだよ。」
いつもあんなに冷静な朔真が…
取り乱した、なんて…
自分だって溺れちゃうかもしれないのに…
何やってんだよ、あいつ……
「…あ、姫ちゃん目覚めたんだ?」
「うん。もう大丈夫そう。」
「そっか。なら良かった。」
佳斗君が少し疲れた様子で、帰って来た。
「あの…朔真は……」
「朔真君?あぁ……海。」
「海…?」
「海にまた潜りに行っちゃったよ。何でも、落とし物をしたって……あっ!ちょっ…姫ちゃん?!」