姫様にkiss
気付いた時には、ベッドを飛び出していた。
まだ体のあちこちが痛むけど、そんなこと気にしてられない。
朔真が…
もし朔真が溺れたら…
あたしのせいだ。
そう考えただけで自然と、歩くスピードが速くなる。
「朔真…っ!」
「姫……?ちゃんと寝てろって言っただろ。」
「…嫌だ。だったら、朔真も帰ろう?」
「俺は帰らない。」
「落とし物、って……今日貰ったネックレスのことでしょ…?」
朔真が誕生日プレゼントにくれた
銀のネックレス。
こんな広い海の中、相当運が良くなきゃ見つかりっこない。
「俺は探す。」
「だめだよ。見つかりっこない…!」
朔真はあたしの言葉に聞く耳を持たずに、海へと入っていく。