姫様にkiss
「お願い…やめて…!!」
「いくら姫の願いでも……これだけは聞けない。」
「だったら…あたしも探す。」
朔真の止める声を聞かずに、海へと入る。
もう夜で、例え近くに落ちていたとしても分からないほどに暗かった。
こんな中で…
朔真は一人であんなに小さなものを探そうとしていたの…?
「…あ」
岩の縁に光るもの。
もしかして…
「…あった!」
思わず声を出していた。
岩の縁に引っ掛かっていたネックレス。
何故かそれを手に取った瞬間、涙が溢れてきた。
「…姫…?なんで姫が泣いてるの?」
「分から…ない……」
でもどうしようもなく、嬉しかった。
せっかくの朔真からのプレゼントだから
こんな暗闇に一人で探してくれていたから
いくつもの複雑な思いが重なりあって、涙となって溢れる。