姫様にkiss
「優姫は良い執事を持ったね。」
「うん!」
頷いたあたしの横で、朔真が複雑そうに顔をしかめていたのをあたしは知らなかった。
「本当、良かったぁ〜お母さんもお父さんも喜んでくれたし。ね?」
「そうですね。」
イチャイチャしているお母さんとお父さんを置いて、先に部屋へと戻った。
カチャ──
音のした方を見ると、朔真が部屋の鍵を閉めていた。
「朔真?何で鍵なん…」
ドサッ──
毎度お馴染みのように、ベッドへと押し倒された。
ただ一つ違うのは、前ほどあたしが抵抗しなくなったってこと。
それから、上に乗っている朔真は複雑そうに顔をしかめていること。
朔真は上からあたしを見つめるだけで、何もしようとしない。
そんな空気に耐えきれなくなって、口を開いた。
「朔真?」
あたしが名を呼ぶと、朔真の瞳が揺れた。
「俺、って………姫の何なんだろうな…?」