姫様にkiss
「え…っ」
今…何て言った……?
「俺さ…今の自分の位置が分かんねぇんだよ。」
いつもあんなに自信ありげなのに
今は、自信なんてこれっぽっちもないほどに暗い顔をしている。
「姫にとって………俺は何?」
あたしにとっての朔真…?
どう見ても冗談で聞いているようには思えない。
あたしにとっての朔真は……
「大切な存在、だよ?」
十分、言葉を選んで言ったつもり
それなのに、朔真は首を横に振った。
「そういうことじゃなくて。例えば……ただの執事、とか。」
ドクン──
“ただの執事”
その言葉に胸が痛んだ。
あたしにとっての朔真は………