姫様にkiss



あたしにとっての朔真は……



「ただの執事なんかじゃない。大切な……あたしの」



あたしの…



何だ…?





そういえば朔真って何なんだ?



ただの執事、ってわけじゃないのは確かなんだけど…



彼氏…なのか?



でも…付き合おうとか言ったわけじゃないしな…



第一、執事とは特別な関係をもってはいけないと言われてるし…



それは朔真だって知ってるはず。



堂々と「彼氏だよ」なんて迂闊に言っていいのか?





「プッ。何それ。百面相?」
「だ、だってお前が言うから…っ!」
「もう分かったから良いよ。姫にとっての俺は“禁断の恋の相手”ってことで良いのかな?」
「う、うん…!」



なんか恥ずかしいけど…



いやかなり恥ずかしいけど…



「分かってたはずなんだけどな。」
「何を?」
「こんなこと聞いても俺の気が晴れないってこと。」




「え?」








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