姫様にkiss
「さっき、“良い執事を持ったね。”って言われてただろ?あの時…何でか素直に喜べなかった。姫が例え、彼氏だって言っても、それを誰に言うわけにもいかないことぐらい、俺が一番分かってるはずなんだけどな……」
改めて実感した。
あたしと朔真の関係がバレたら…
きっと一緒にはいられなくなる。
それに朔真は
執事の仕事を辞めさせられる。
そんなことあって良いはずがない。
「ごめんね、朔真。」
「何が?」
「あたしのせいで窮屈な思いしてるでしょ?」
「そうかな?俺は姫に仕えたくてこの家に来たんだし。窮屈なんて、一度も感じたことないよ。」
「それでも、もし。万が一、姫にとって俺が邪魔になる日が来たら。……その時は、静かに去ることにするよ。」