姫様にkiss
「俺、好きだ。優姫のこと。」
「や、えっと………ひゃ…!」
く、苦しい…
力強く腕を回されて、身動きがとれない。
いつも感じることのない男らしさが、余計にあたしの胸を苦しめる。
「離し、て…!」
光の胸を突き飛ばした。
「ごめ…」
思わずといえども、謝る。
光は頭をかきながら、立ち上がって笑った。
「謝んなよ。…それに、今は返事、受け取るつもりないから。」
「えっ…ちょっと…?!」
「そのかわり、これからは遠慮しない。もちろん、あいつの前でも。
ただし、ちゃんと理解しとけよ?お前は将来あるお嬢様で、あいつはそれに仕えるただの執事だってこと。」
「そんなの…分かってる。」
「…なら良いけど。」
そう捨て台詞を吐いて、光は教室を出て行った。