姫様にkiss



「優姫、何食べる?………優姫…?」
「…ごめん。あたしやっぱり………」



光とはいれない。



そう言う前に、光に抱きしめられた。



「ひか…る……?」
「だせぇな…俺……こうなること分かってたのに…いざとなると…」
「…ごめん。あたしは……光の気持ちに応えることは出来ない。」
「分かってて告白したんだから、気にすんなよ。」



寂しげに笑う光。



今までに見たことのない、悲しげな顔。



「ひ…」
「早く行けよ。…あいつのところ。」



光は抱きしめた手を離して、そう言った。



そこにはもう、悲しげな光はいなくて、いつものような無邪気な笑顔があった。



「う…うるさい…っ!言われなくても行くから…!!」
「相変わらず可愛げねぇな。」
「何よそれ!」
「……後ろみたら、襲うからな。」
「え…?」
「良いから早く行けよ…!!」



背中を思いっきり押される。



あたしは後ろを振り向かずに走り出した。



きっと今…光は泣いてくれてるから。





「ごめん…光」



それから



こんなあたしに好きだって言ってくれて





「ありがとう、光。」










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