姫様にkiss
「朔真、何食べたい?……ってえぇ!!まだちょっとしか歩いてないのに、そんなに持ってんのよ?!」
夏祭り会場に着き、後ろを振り向いたら何故か、朔真が両手に食べ物を抱えていた。
何で?!
いつの間に買ったわけ?!
「何か歩いてたら、“試食にどうぞ〜”って渡された。」
それ絶対試食じゃないから!
「姫もいる?」
「いらない。朔真が貰ったんだか…」
「案外美味しいよ。はい、あーん。」
「……美味い。」
「そりゃ良かった。」
なんか朔真に優しくされるのは、やっぱり調子が狂う…
それに…
浴衣似合いすぎだろ…
どうも胸がドキドキして、いつものあたしらしくない。
「浴衣。……姫も似合ってると思う。」
「っ…////」
「可愛い過ぎてずるいよ。姫。」
「ば、馬鹿…っ!そういうことはだな…」
「まぁ、俺には負けるけど。」
やっぱりいつもの朔真ぐらいが良い。
…ちょっとムカつくけど。