姫様にkiss



「何もそんなに必死にならなくても……ただの練習試合なんでしょ?」
「ただの練習試合ではありません!!この試合は……俺の仲間を守るプライドなんです…!!」



仲間を守るプライド…?



“負けると分かってても戦わなきゃならない時って、あるんじゃねぇの?


特に……何かを守りたい時、とか。”



仲間を守る…



それでこの負け試合を受けたのか…?



「俺、部長なのに全然強くないし、頼りないしで正直、俺なんかが部長で良いのかって悩んでたんです。でも、そんな時にあいつらが……舘華の奴らが言ったんです。



“金持ちのお坊っちゃんは剣道もろくに出来ない。”



“ただの親の七光りだ”



そう言われて俺……悔しくて…」



部長の目から涙が一粒、頬を伝って零れた。









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