姫様にkiss
プルルルル──♪
ん?電話か?
「あー…もしもし?ポチ?」
「優姫先輩ぃ〜…ポチじゃないですってばぁ…」
「はいはい。」
「今どこにいますかぁ?」
「え"…;一応、学園にいるんだけど……帰りたい。っていうか、入りたくない。」
「えぇ…ちょっと助けてくださいよぉ…」
「面倒。」
あたしがそう呟くと、幸太郎君は仔犬のような声をあげた。
そういう喋り方だから、皆にいじられるんだよな。
あたしもその中の一人だけど。
「そんなこと言わないで……わぁ…っ!!」
電話の向こうと武道館から、ものすごい音がした。
「っ…うるさ……」
「わぁ…部長落ち着いて……ちょっとぉ…っ!!」