姫様にkiss
あいつら…
皆、辛そうに顔を歪めている。
あんなに頑張って…
「まだ諦めてないよ。あの人達は。」
「あたしだって……まだ諦めたわけじゃない。」
あれだけ練習してきたんだ。
そう簡単に諦められるものじゃない。
「皆、頑張れよ。」
「ハァ……ありがとうございました…」
「姫…?!大丈夫?!」
「…大丈夫だ。」
これぐらいの試合数…
まだまだいける。
「ごめん…ちょっと水浴びてくる。」
「うん、わかった。」
熱で火照る身体を冷ます為に、水道へ向かった。
ん?…人影……
誰かいるのか?
おぼつかない足取りで水道に向かうと、そこには、余裕そうな笑みを浮かべた冴垣がいた。