姫様にkiss
「おや、ずいぶんお疲れのご様子ですね。」
「…これぐらい……まだまだ余裕だ。」
「あまり無理なさらない方が良いんじゃないですか?全国ランク1位の方が。…無様ですよ。」
そう言ってせせら笑う。
あたしはそれが悔しくて、唇を噛んだ。
「まぁ、せいぜい頑張ってください。」
「ま…待て……っ…?!」
た、立てない…
すれ違い様に足を蹴られたのか…
「くそ…っ!」
悔しい…
あんな奴に負けるなんて…
絶対に嫌だ…
…でも
「…姫?!何があった?!」
「何でもない……いっ…!!」
「立てないのに、何が何でもないだよ。」
水道に駆けつけてくれた朔真があたしの足を見る。
足は青くなり、腫れていた。
「これじゃ棄権す…」
「嫌…っ!!」
「でもこの腫れじゃ…」
「大丈夫だから。皆の気持ち、無駄にしたくないの。」
皆頑張ってるんだ。
あたしだけ抜けるなんて…
ましてやあたしの不注意で怪我したなんて…
言えるわけがない。