姫様にkiss
「…ごめん。」
「それは……負けてから言ってください。」
「そうですよ、先輩。俺達、まだ負けたわけじゃないんですから。」
あたしの不注意で怪我をしたというのに、誰もあたしを責めたりしなかった。
それが今のあたしには妙に心地良かった。
本当なら怪我をするなんて
ましてや試合当日に怪我をするなんて、許されるはずがない。
でも…
こいつらは許してくれた。
むしろ心配してくれた。
その恩をあたしは無駄にしない。
「あいつは…冴垣は絶対にあたしが倒す。」
「分かりましたから、一先ず足冷やしてください。姫」
「いっ…!!!わ、分かってるから叩くな!馬鹿朔真っ!!」