姫様にkiss
どうしてだか、とてつもなく嫌な予感が胸をよぎった。
とてつもなく嫌な予感が……
「ん…」
寝ちゃったんだ…
「さ、朔…真……?寝てる?」
机にうつ伏せて寝ているあたしに、朔真のスーツが掛けられていた。
隣の椅子に、朝ぶりに見た朔真が寝ていた。
朔真にスーツを掛けてあげようと立ち上がった時だった。
「え…」
慣れない女物の香水の香り。
どうして朔真のスーツから…?
あたしはもちろん、メイドさんも香水はつけていない。
スーツに香りがつくってことは、それだけ長く一緒にいたってこと。
そんなに長く一緒にいるような相手がいるのか…?