姫様にkiss
「姫。…入れて?」
「…やだ。」
「今、一瞬悩んだでしょ?」
「な、悩んでない…!」
「可愛いな、姫は。」
どうしてこうも、こいつはくさいセリフを堂々と言えるんだろうか…
さっきから、こんなセリフを聞き慣れてないあたしは、頭がフリーズしっぱなしで、何も考えられない。
「…おやすみ、姫。」
ドアの外からの声はこれが最後だった。
まだPM7:00
どう考えても寝る時間じゃない。
「…なぁんだ。姫、起きてるじゃん。」
「ッ…?!」
目の前には笑っている朔真。
なんで…
なんでいるの…?!
朔真が右手を上げる。
その手には……