姫様にkiss



朔真が…



辞めた……?





「なんで…っ?!」
「それがその…分からなくて…」
「呼び戻してよ…!!!」
「優姫。」
「何してるの?!早く呼び戻して…」
「優姫!!落ち着きなさい。」



力強いけれど、優しい腕で抱きしめられる。



その瞬間、涙が溢れてきた。



「全部、でたらめだったのよ。」
「え…」
「住所も電話番号も……全て嘘だった。」



全て……嘘



朔真が嘘をついてた……?





「朔真君、名前も嘘かもしれない。“桧宮朔真”なんて名前で執事をやっている人はいなかったの。」



これは夢…?



夢ならばどうか早く醒めてください



朔真のいつもの意地悪な笑みを見せてください



お願いだから



誰か夢だと言って………






「嫌ぁ………っ!」



あたしはそのまま意識を手放した。









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