姫様にkiss
恋とか愛とか、くだらない
そう思っていたのに
どうして貴方はこんなにもあたしの心を乱すのよ…
あんたなんか…
好きにならなきゃ良かった。
こんな感情なら、知りたくもなかった。
ピーンポーン──♪
玄関のチャイムが鳴った。
しばらくして、階段を駆け上がる音がして、あたしの部屋の前で止まった。
誰かは分かってる。
「…姫様。失礼いたします。」
新しい執事。
たぶんお父さんが手続きしたのだろう。
朔真がいなくなったから。
執事をつけないわけにはいかない。
そんなことは分かってる。
分かってるけど……
どうしても新しい執事と仲良くは出来そうになかった。