姫様にkiss
「でもね?相手の方とっても良さ…」
「お母さん。縁談の日はいつ?」
「えっと……3日後、ね。」
どんな人でも関係ない。
あたしに拒否権なんかないんだから。
どうせ向こうだってそうなんだ。
決められた相手と結婚する。
それはこういう家系に生まれてきた者の運命だから。
いつかこんな日が来るって分かってた。
だから今さら戸惑うことなんて何もない。
あたしは彩城家の跡取り娘だから。
「美咲。あたし結婚する。」
「ちょっ…いきなり何言ってるの…?!誰と?!」
「さぁ…知らない。」
「知らないって……縁談、なの?」
「うん。」
美咲の顔が深刻なものへと変わった。