姫様にkiss

「姫は………それで幸せなのかな？私にはそう見え…」
「…って」
「え？」

「黙ってよ…っ！！美咲には分からないよ！好きな人が傍にいないんだよ？！そんな状況で幸せだの何のって……もう会えるかも分からない相手を想ってるのって…………想像よりずっと…ずっと辛いんだから……」



涙がどんどん溢れて、目の前が霞む。



美咲に八つ当たりしたいわけじゃないのに…



美咲があたしのことを考えて言ってくれてるんだって



誰よりもあたしが分かってるのに






「美咲…ごめん……」
「いいよ。私こそ姫の気持ち、ちゃんと分かってなかった。朔真さんがいなくなってから、姫が必死に我慢してたの知ってるのにね。」



美咲の手が優しくあたしの頭を撫でる。



その手が朔真の手と被って…



喉の奥が熱くなった。