姫様にkiss
あたしの座っているテーブルは、一番奥の窓側。
段々近づいてくるにしたがって、心拍数が上がる。
「ん?」
ちょっと待って。
あたしの目の前に来た人は、あたしに向かって深々とお辞儀をした。
一応、しないとまずいのかと思い、あたしもお辞儀をする。
で、でもさ…
あたしの縁談の相手って………
「…女の子?」
いやいやいや。
んなまさか;
でもどう見ても、女の子が男物のスーツを着ているようにしか見えない。
あたしは呆気にとられて、縁談を断る話をするのもすっかり忘れていた。