姫様にkiss
「あ、あの…凰さんは何で遅れてるんですか…?」
「それがその……」
篠原君は何故か口籠もって、下を向いた。
や、やっぱり事故とか…?
だったらこんなところで、ゆっくり話してる場合じゃないよね…?!
「は、早く行か…」
「凰様はとても寝起きがお悪いのです。」
「は…?」
「それから、今日になって初めて縁談のことを言いましたもので……」
「は?!」
「かなりご乱心のご様子でして…」
何でそんな大事な話を当日にするの?!
しかも寝起き悪くて来ないって…
どんだけ自由人なのよ?!
「凰様の寝起きの悪さは、この業界でもそれはそれは有名でして……ご存知ありませんか?」
ご存知ありません。
っていうか、そんな情報知りたくもありません。
あたしは呆れてものも言えずに、はぁ…と大きくため息をついた。