姫様にkiss
朔真が車の中で簡単に説明してくれた。
朔真は凰家の長男で、あたしの執事をしていたのは、社会勉強の為だということ。
いきなりいなくなったのは、いきなりお父さんに連れて行かれて、一年間、家から出させてもらえず、きちんと説明が出来なかったから。
はぁ…な、なんか頭痛いかも……
でもとにかく…!!
「降りる降りる!!降ろさせて〜!!!」
そんなあたしの叫びは通じるはずもなく、本当に教会へと着いてしまった。
ちょっと待ってよ…っ
あたし今日、縁談を断る為に来たんだよね?
でもその相手が朔真で…
それでそれでいきなり教会行くって言われて連れて来られて……
「えっと……何で美咲と佳斗君がいるのかしら?それにお母さんやお父さんまで…」
「朔真さんが今日、全員に謝りに来たんだよ。」
謝る?
朔真が?
「“今まで嘘をついていて、いきなりいなくなったりして、申し訳ありませんでした。
図々しいのは百も承知ですが、俺からの最後の願いです。……娘さんを…優姫を俺にください。”
そんなこと言われちゃったら、怒るに怒れなくなっちゃって…」
「私は一発、ぶん殴ったけどね?」
え…え……えぇっ…?!