姫様にkiss
「ママ。」
「ん?」
朔李があたしの服の袖を引っ張る。
「ママ、これなぁに?」
「お、オムライスだよ?」
「でもママ。パパのオムライスはもっと卵が柔らかいよ?」
う"…
テーブルの上に並べられたのは、確かにオムライスのはずなんだけど…
卵がぐちゃぐちゃで、下にあるケチャップライスが顔を出している。
結婚してから色々と家事をするようにしているあたしだけど……
どうしても料理だけは上手く出来ない。
それでもって、子供達は朔真と比べるものだから…
あたしのプライドはズタズタ。
これでも今日は上手く出来た方なんだけどな…;
「ママ、これじゃただの卵焼きのせご飯だよ。」
今言ったのは優李。
優李は本当、朔真似で…
可愛い顔してるくせに結構グサッとくるようなことを言ってくる。