姫様にkiss
「めちゃくちゃ格好いい男が門の前に立ってて……」
めちゃくちゃ格好いい男…?
「そいつが“姫様を呼んでいただけますか?”って!スーツ着てたし……もしかして姫の彼…「断じて違う。」
っていうか、彼氏が“姫様”って言わないでしょ。
「彩城さん。表に人が…」
面倒くさい。
わざわざ朔真と話すだけなのに、門まで行かなきゃいけないのが面倒くさい。
ここから……
いける…かな?
「朔真〜!」
教室の窓から、少し体を乗り出して呼ぶ。
その声に気付いた影がこちらを向いた。
「姫様お止めください。危ないです。」
「大丈夫大丈夫っ!それより何?」
「……いえ、何でもございません。授業、頑張ってくださいね。」
やっぱり変だよ。
朔真は何を考えてるの?