姫様にkiss
* * *
「優姫、今日は元気ないわね。」
家に帰ると、お母さんがソファーに座って指輪を眺めていた。
「…んなことないよ。」
そう。
あんな奴いなくたって大丈夫。
大丈夫…
「朔真君かぁ〜…」
「関係ないっ!!!」
「もうっ、素直じゃないんだから!………朔真君がどこに行ってるのか、知りたくない?」
「ッ……し…知り、たい……」
お母さんは口の前に人差し指をたてて、笑った。
「…へ?」
「あ〜ん可愛い♪」
えっと…
何でお母さんはあたしに抱きついてるわけ?
「素直になれなくて意地はってるあたりが可愛いわ〜」
うん。
分かったから、離れてくれません?