姫様にkiss
「ただいま帰りました、姫様。奥様。」
「さ…朔真……」
「あら、噂をすれば。」
「お話中申し訳ございません。姫様をお借りしてよろしいでしょうか?」
「どうぞ。」
朔真は強引にあたしの腕を掴んだ。
でも、あたしは拍子抜けしてしまって動けない。
「はぁ…」
真上から聞こえた大きなため息。
上を向いた途端、体が傾いた。
「ッ…?!」
「どした?嬉しすぎて腰抜けちゃった?」
耳元で朔真の意地悪そうな声がする。
気付いたら朔真の顔が目の前にあった。
もしかして……
「お姫様抱っこなんてやるわね〜朔真君。」
そうだと分かると一気に頬が熱くなる。
「ッ……ば、馬鹿っ…!!!」