姫様にkiss
「姫様…大丈夫ですか…?」
「う…うん。平気…」
男達が去ると、朔真はまたいつもの表情に戻った。
「姫…?」
「………怖かった」
「申し訳ございません…」
本当にさっきの朔真は別人のようで怖かった。
もうあんな朔真…
二度と見たくない。
「でも………ありがと。助かった。」
「いえ。」
朔真はほんの一瞬だけど、嬉しそうに笑った。
「ひ、姫…!大丈夫だった…?!」
「うん。大丈夫。ごめん、心配かけて…」
「そんなこと気にしないでよ!本当心配したぁ…」
その一件があってから、あたしは男性客だけのテーブルへは行かないことになった。
そしてもう一つ。
何故か店長がこの一件の後から朔真を雇いだした。
もちろん、女子人気が高くて……
女の子に笑いかけている度に胸の奥が締めつけられる感じがした。