姫様にkiss



「じゃあ、俺はこれで失礼します。」



いやいやいや…!!



聞かなかったふりしないでよ!



朔真が帰ったら、二人きりじゃん!



「あ、あたしも帰る…!」
「ちょっ…先輩っ!」
「ごめ…また今度ね…!!」



こんな気まずい状況で二人きりになることだけは避けたいあたしは、急いで朔真の後を追いかけた。




「朔真っ!何で一人で帰るのよ?!」
「えー…だって、姫は俺以外に送ってくれる人いるじゃん。」



チラッと後ろを見てそう言うと、スタスタと歩いて行ってしまう。



やっぱり…聞いてたんだよね…?





「さ…朔真……」



どんなに呼び止めようとしても、朔真に声が届くことはない。



「朔真っ…!!」









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