姫様にkiss
何で無視するの…?
本当に分からない。
朔真が分からないよ……
ギュッ──
朔真の体が一瞬びくついた。
あたしは一層、背中から回した手を強めた。
「…いいわけ?妬かれちゃうよ?」
「べ、別に関係ないからっ…!!」
「関係ない?」
「あたしは別に幸太郎君のこと……好きじゃないから…あたしが好きなのは…!」
「姫が好きなのは……?」
「へ…」
あたし今…
何言おうとしてた…?!
なんかどさくさ紛れにすごい事言おうとしてなかった…?!
「…姫が好きなのは?」
朔真の表情がいつもの意地悪そうな笑みに変わる。
あたしが好きなのは……