姫様にkiss
「いらっしゃいませっ!」
あたしはあの後すぐに、バイト先へと向かった。
「ご注文は?」
「ねぇねぇ、あの彼呼んでくれない?」
「は?」
「あっちで注文とってる彼よ。キャー超かっこいい♪」
はぁ…
なんでさっきから朔真、朔真って……
そんなに話したければ、自分で話しかけなさいよ…!!
……なんて言えずに、「少々お待ちください」なんて苦笑しながら、朔真の下に向かった。
「ちょっと。」
朔真の服の袖を引っ張ると、朔真が振り向いた。
「…何?」
「あっちのお客様が朔真を呼んでる。」
「へぇ。」
「へぇ。…じゃなくて、注文とってきてよ。」
朔真は面倒くさそうな顔をしながらも、向こうでニコニコして待っている女の子の下に向かった。