姫様にkiss
「僕……好きなんです。」
「ゃ…えっと……」
“ちゃんと返事を聞かせて欲しいな。…特に姫なら。”
朔真の言葉がよみがえる。
あ、あたしは……
「幸太郎君…!あの…あたしは……」
「僕………朔真さんが好きなんです…!!」
「………へ……えぇ…?!」
「好きっていうか…憧れてて……あれ、先輩?」
好きなのって……
朔真…?!
だったら何?!
今までのあたしの悩みは何だったわけ?!
「僕…強い男になりたくて………だから朔真さんみたいに…」
「さっきから朔真、朔真って………だったら二人で仲良くしてなさい!!」
ふんっ…!!!
後ろから聞こえるキョトンとした幸太郎君の声なんか聞こえないふりをして、雨の中、濡れるのも構わず走った。
ひたすら走った。