姫様にkiss
* * *
「おはようございます、姫様。」
「お、お、おはよう…」
「今日は良い天気でございますね。」
「そ、そ、そうだね…」
結局あの後。
朔真は意味深な笑みを浮かべて部屋を去った。
……紅潮してるあたし一人を残して。
「姫。」
「ッ…////」
後ろから声がしたと思うと、ギュッと抱きしめられた。
朔真の匂いがして、より一層心臓がうるさくなる。
「可愛いなぁ〜姫は。」
「ば、馬鹿にするなっ…!!」
「ん?一応これは誉めてるつもりなんだけど?
あぁ〜…もしかして昨日のこと?」
ドキッ──
「あ、あれは…」
「いいよ、別に。気にしてないから。」
「え…?」
「あれが今の姫の気持ちでしょ?それに…」
「それに…?」
「捕まえにくい方が燃えるじゃん。」
あ、呆れた…
あたしは昨日、一晩中悩んだっていうのに……
本当に額で良かったのか、……って