姫様にkiss



 * * *





「おはようございます、姫様。」
「お、お、おはよう…」
「今日は良い天気でございますね。」
「そ、そ、そうだね…」



結局あの後。



朔真は意味深な笑みを浮かべて部屋を去った。



……紅潮してるあたし一人を残して。





「姫。」
「ッ…////」



後ろから声がしたと思うと、ギュッと抱きしめられた。



朔真の匂いがして、より一層心臓がうるさくなる。





「可愛いなぁ〜姫は。」
「ば、馬鹿にするなっ…!!」
「ん?一応これは誉めてるつもりなんだけど?



あぁ〜…もしかして昨日のこと?」



ドキッ──



「あ、あれは…」
「いいよ、別に。気にしてないから。」
「え…?」
「あれが今の姫の気持ちでしょ?それに…」
「それに…?」



「捕まえにくい方が燃えるじゃん。」



あ、呆れた…



あたしは昨日、一晩中悩んだっていうのに……





本当に額で良かったのか、……って








< 64 / 266 >

この作品をシェア

pagetop