姫様にkiss



なぜだか次の瞬間には、朔真の胸の中にいた。



「…怒られた。」
「は?」
「執事長に“姫様のお部屋に勝手に入ってはいけません”って。」



そりゃ当たり前でしょ。



っていうか、今まで執事長さんが注意しなかった方が不思議だよ。



「でも俺、姫にお許しもらってるし。」



“別に入っても問題ないよね。”と平気な顔して言う。



あのさ、恋した瞬間からその人中心に世界が回り始めるって美咲は言ったけど……



だったらあたしは、出会った瞬間から恋してたことになるんですけど…



なんてことを考えながら、頭を朔真の胸に預ける。



ちょっと速い心臓の鼓動。



朔真も少しは意識してくれてるのかな〜って思うと、自然に頬が緩む。









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