姫様にkiss
門の前にいたのはやっぱり朔真だった。
それも大勢の女の子に囲まれて。
どうしてこうも、あたしの周りの男は人気の人ばっかりなんだろう…
これでいじめられたりなんかしたら、絶対恨んでやるから。
女の子に囲まれて、笑っている朔真に少し苛立ちを覚えながらも、必死に平然を装って声をかける。
「朔真〜何?」
「あ、姫様。…今日の放課後、少しだけ学校で待っていていただけますか?」
「別にいいけど。」
“何かあったの?”
とは聞けずに、あたしは黙って頷いた。
「何か聞きたそうな顔ですね?」
「そんなこと……」
「いいですよ。私にお答え出来ることならば、何なりとおっしゃってください。」
「何か……あった?」
勇気を出してそう聞くと、朔真は少し安心したように笑った。
そして顔を耳元に近付けて言った。