姫様にkiss
* * *
そして聖学祭当日──
「姫〜♪早く早く!」
「えっ…ちょっと美咲…?!」
あれから、朔真があまりあたしの傍で世話をすることも、ちょっかいを出すことも少なくなった。
あたしが起きる頃には、姿はなくて、綺麗に掛けられた制服と、温かい朝食が置かれているだけ。
夜だって、待っている時間の間に帰ってくることはなかった。
「ほーら姫!こっちこっち!」
「ちょっと何なの…?!」
「はい♪ここでこれに着替えてね。」
目の前に差し出されたのは、白い紙袋。
中身は………
「ちょっと何これ?!」
「何って…聞いてなかったの?」
聞いてなかったも何も……
これって…