君の温もり~100%を目指して~
「楓夏、あたし振られちゃったかも…」
そう偽笑いを楓夏に向ける。
楓夏は黙って瞬きもせずあたしを見ている。
「あのね、さっき優信に『ムカつく』って言われちゃったの。
なんか、あたしとは違うすっごく美人で背が高くて髪の毛サラサラで
ジュリアさんって言う人で、」
楓夏の様子をうかがいながらも
楓夏はまっすぐあたしを見ている。
「それで…『ジュリアと飯食いに行くから』って言って…
行っちゃった…。あはは、馬鹿だよね、あたしっ!」
テヘヘと自分の頭を撫でる、
でも楓夏の視線の先はずっとあたしで。
自分でもこんな弱音駄目だって思ってる。
強がってるつもりがいつの間にか弱音吐いてて、
こんな自分本当は嫌なんだよ。
セコイって事ぐらい知ってる。