短編■ ほっぺ ぺけ
おべんとう
『おかあさん
ふーのおべんと
かわいくして』
ある日 ふーは言いました。
ちょっと背のひくい ふーは5さいの幼稚園児です。
くりくりとした目はリスが大好きなドングリみたいで、
よく大人たちに『かわいい』と、褒められます。
そのたびに、ふーのくちびるはお月様みたいになりましたし、
ふーのからだの中はぽかぽかしました。
どうしたのかな
ふーは思いました。
お母さんが困った顔をしていたからです。
けれども、ふーは言いました。