メモリー000
無知な子供
うちは、いわゆる貧乏。
古い団地に住み、布団で寝る。
長女の私は、母親の使っていた机やピアニカを使っていた。

クリスマスのサンタさんへの手紙には

『これをお金にかえてください』

と、おもちゃを全部枕元に並べていた。

ある日母親が

『サンタさんは居ないの。
お母さん達なの。
妹には小さいからおもちゃを買ってあげたいの。
おねえちゃんだもん、我慢できるよね?』

しっかりしたお姉ちゃん。
どこへ行ってもそう言われる子だった。

妹は新しい机にピアニカ。

お姉ちゃんだから、我慢してね。

呪文のように言われていた。
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