会えなかった天使
年末はどこも忙しい。
それは彼も同じで、休みらしい休みも無い日が続いてた。
今日こそは、今日こそはって何度思っただろう。
何も言えないまま、誰にも言えないまま、大晦日を迎えてしまった。
お気に入りの店でのカウントダウンパーティ。
彼の友達も一緒に盛り上がって迎えた新年。
初詣で引いたおみくじは、何の暗示か『大吉』だった。
朝になってみんなと別れ、彼の家へ。
言わなきゃ…。
「あのね、話があるんだけど…」
いつもと違う空気が流れた気がした。
「あのね、赤ちゃん、出来たみたいなんだ」
…言えた。
やばい、泣きそう。
でも、彼の口から出た言葉は、想像と真逆だった。
「ふーん、頑張れ♪」
…は?
何それ。頑張れ?何を?
ひとりで頑張れって事?
意味わかんない。
何それ…。最低。
溜まった涙が溢れた。
何でそんな簡単に言えるの?
何で他人事みたいに言えるの?
こぼれる涙が止まらない。
「え?どうした?」
まだ他人事。
もうやだ。こんなのやだ。
こんな最低な思いするために今まで悩んでたなんて。
初めてかもしれない。
彼に切れた。
「もう!何でよ!!!何で他人事みたいに言えるの!?最低!最低!」
やっと気付いたのか、慌てて宥めようとする彼。
「ちょ、ちょっと落ち着けって!どうしたんだよ!」
「アタシひとりでずっと悩んでたのに!どうしよう、どうしようって!何が頑張れ!?ひとりで頑張れって事!?最低!」
泣き崩れたアタシを呆然と見つめながら、自分の言葉がアタシを傷付けた事にやっと気付いたようだった。
「ごめん…。ひとりで悩ませてたんだな。一緒に考えるから。ちゃんと考えるから」
彼の真剣な言葉に包まれながら落ち着きを取り戻した時、無意識のうちにお腹を庇うように座り込んでいた。
そう、新しい命を守るように…。
それは彼も同じで、休みらしい休みも無い日が続いてた。
今日こそは、今日こそはって何度思っただろう。
何も言えないまま、誰にも言えないまま、大晦日を迎えてしまった。
お気に入りの店でのカウントダウンパーティ。
彼の友達も一緒に盛り上がって迎えた新年。
初詣で引いたおみくじは、何の暗示か『大吉』だった。
朝になってみんなと別れ、彼の家へ。
言わなきゃ…。
「あのね、話があるんだけど…」
いつもと違う空気が流れた気がした。
「あのね、赤ちゃん、出来たみたいなんだ」
…言えた。
やばい、泣きそう。
でも、彼の口から出た言葉は、想像と真逆だった。
「ふーん、頑張れ♪」
…は?
何それ。頑張れ?何を?
ひとりで頑張れって事?
意味わかんない。
何それ…。最低。
溜まった涙が溢れた。
何でそんな簡単に言えるの?
何で他人事みたいに言えるの?
こぼれる涙が止まらない。
「え?どうした?」
まだ他人事。
もうやだ。こんなのやだ。
こんな最低な思いするために今まで悩んでたなんて。
初めてかもしれない。
彼に切れた。
「もう!何でよ!!!何で他人事みたいに言えるの!?最低!最低!」
やっと気付いたのか、慌てて宥めようとする彼。
「ちょ、ちょっと落ち着けって!どうしたんだよ!」
「アタシひとりでずっと悩んでたのに!どうしよう、どうしようって!何が頑張れ!?ひとりで頑張れって事!?最低!」
泣き崩れたアタシを呆然と見つめながら、自分の言葉がアタシを傷付けた事にやっと気付いたようだった。
「ごめん…。ひとりで悩ませてたんだな。一緒に考えるから。ちゃんと考えるから」
彼の真剣な言葉に包まれながら落ち着きを取り戻した時、無意識のうちにお腹を庇うように座り込んでいた。
そう、新しい命を守るように…。