偽物兄妹
「…へっ…?」
誰かあたしを呼んだ?
と、思って上を見上げると
「…翔?」
そう、翔だった。
なんであたしを呼んだの?
って思ったりもしたけれど
翔に声をかけられた…
それだけで嬉しいから
そんなのどうでもいいや!
って思った。
「実亜、顔がにやけてる…」
…え?!
は、恥ずかしい~!!
あたし、きもくなってるかな?
はぁ…
どうしよう。
翔にこんな顔見せちゃって
最悪だぁ…
「ま、まぁ…気にしないッと!」
ここは適当にごまかしておいて…っと。
「そっかぁ」
翔は笑っていた。
その笑顔に、あたしは
ますます魅かれていった。