俺と茜のナツメの樹

「ぷはぁ~!サンキュー。」


「あ、うん、、、」


そしてまた走り始めようとした晴紀を茜が止めた。


「なんだよ?飲み物ならもういいぞ。」


「そうじゃなくて、、、あんたなんか水泳避けてない?」

「あぁ?なんで水泳部が水泳避けなくちゃいけねぇんだ。」

晴紀は軽く笑みを浮かべて言った。

「そうだけど、、、あんたここに入学した時、、、学年トップだったじゃない。」

「、、、何のことだ?」
          「テストの成績。」

晴紀はほどけた靴紐を見つけしゃがみながら結び始めた。

「、、、現に今勉強が分からんから走るはめになってんだろ、、、まるで俺がわざと分からないふりをして走ってるみたいな言い回しはやめろよ、、、」


茜は顔をしかめ、じっと晴紀のしゃがみ込む背中に言った。

「分からないの?そういってるのよ、、、」


晴紀は立ち上がって走り出した。


「、、、健人(けんと)くんでしょ?」


ピクッ

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