白球追いかけて
「高校生やっけぇ?」
「はい」
「学校は楽しい?なにかクラブとかしてるんやっけ?」
「野球部」
「野球してんねや」
「なにかしてたんっすか?」
「オレはバスケ」
 確かに背が高い。
「けっこ、モテません?」
「う~ん。十キロの鉄アレイぐらいやったら軽く。女にはまったくやで。こう見えてもこの業界って、あんまり出会いとかないで。休みも、みんなとはちゃうしな。野球やってるほうがもてるやろ?彼女とかは?」
「いない暦四ヶ月ぐらいです」
「大丈夫、大丈夫。高校生やったらすぐできるって」
 そんなことを話していると、いつの間にかカットは終った。
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