白球追いかけて
 次の日はいつもより早く目が覚めたのだが、なんとなく思っていた悪い予感は的中。雨だった。
 試合の中止がわかったら、その日、学校では珍しく居眠りをしなかった。だが授業は上の空で、一日中教室から外を見ていた。外の景色とずっとにらっめこで、なにも手につかなかった。先生がチョークで黒板にカチカチと書く音や、周りの人がノートをめくる音さえも記憶にはなかった。ふと気がついたのは、五限目だった。
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