白球追いかけて
あるオフの日の帰り、いつもの駅で電車を待っていると、夕日が入ってくる。オレンジに金色を混ぜたキレイな光だった。
その光に照らされた先に、カバンを抱えてイスに座る、カンガルーのような姿勢の女のコ。ケメだった。あえて話しかけはしなかったが、この日を境にケメをしばしば電車で見かけるようになった。
少し太ったのかなあ。トウサ高校まで歩かなくなったからか、最近ケメの顔や体がむくんで見える。
ある日、電車の同じ車両にケメが乗っていた。なにか見覚えがあるものが見えたように思い、よく見ると、ホワイトデーにケメに渡したマンデラのキーホルダーだった。今はストラップではなく、カバンのアクセサリーになったみたいだ。
ケメのカバンのキーホルダーが電車の揺れに合わせて、動く。振り子のように、左右に、気まぐれなリズムで。
電車が止まろうとすると、その動きはゆっくりになった。
その光に照らされた先に、カバンを抱えてイスに座る、カンガルーのような姿勢の女のコ。ケメだった。あえて話しかけはしなかったが、この日を境にケメをしばしば電車で見かけるようになった。
少し太ったのかなあ。トウサ高校まで歩かなくなったからか、最近ケメの顔や体がむくんで見える。
ある日、電車の同じ車両にケメが乗っていた。なにか見覚えがあるものが見えたように思い、よく見ると、ホワイトデーにケメに渡したマンデラのキーホルダーだった。今はストラップではなく、カバンのアクセサリーになったみたいだ。
ケメのカバンのキーホルダーが電車の揺れに合わせて、動く。振り子のように、左右に、気まぐれなリズムで。
電車が止まろうとすると、その動きはゆっくりになった。